京都ひとり旅｜絶品ビストロ「Agri」で、好きな食材を選んでちょっぴり贅沢ディナー

～京都御所の近くで味わう十勝産どろぶた、日替り新鮮食材のカスタマイズ料理とおいしいお酒

金閣寺、銀閣寺、嵐山など、京都観光を一通り満喫し、一日の締めくくりはゆっくり一杯やりながら美味しい夕食。せっかく京都を訪れたので、こぢんまりとした隠れ家的なお店でちょっぴり贅沢な食事をしたい。けれども、勝手なイメージで申し訳ないが、京都のお店は敷居が高そうだし、お店を紹介してくれる知り合いがいるわけでもない。気軽に入れそうなところはないだろうか。そう考えながら、京都御所から静かな住宅街の通りを南へ歩いていると、ふと目にとまったお店があった。

麩屋町二条を下ったところに佇む、ビストロ Agri（アグリ）さん。
直感でここは大丈夫そうだ！と思ったわけで、勇気を出してドアを開けてみた。

そこには、10席ほどのカウンター席と、「いらっしゃい、どうぞ。」と優しく招いてくれるマスターの姿。

ほのかにスッとしたミントの香りがするおしぼりからして癒される。メニューボードには食材だけ書かれている。

「新鮮な食材を、最もおいしく食べていただきたいので、毎日メニューが違うんです」
「お客様と調理方法を決めるので、その瞬間までどんな料理をつくるのか僕も知らないんですよ」

食べたいものと、どのように調理してほしいかをリクエストするスタイル、僕には初めての経験だった。恥ずかしながら僕は料理のことがからっきし分からないので、食材はおすすめをチョイスしてもらい、どんな料理にしたいかをマスターと話しながら決めていく。

「ビールでしたら、ちょうど仕込んでいた十勝産どろぶたの生ハムができあがったので、ご一緒にいかがでしょう。」
「１年ほどの熟成期間ですから、水分量は少し多めで柔らかいです。独特の香りもぜひ味わってください。」

それはぜひともいただこう。と、巨大な肉のかたまりから目の前でスライスしてもらう。

じっくり熟成さた自家製十勝どろぶたの生ハム原木をスライス　※時期によってイベリコ豚の場合もあります

生ハムは京都大原産のルッコラを添えていただく。ゆで落花生も大原産の「おおまさり」を使用

うまい！肉が醸し出すの独特の風味がビールとよく合う。質が良いハムは香りがあると聞いたことがあるが、その証拠だ。

野菜は主に京都大原から仕入れ、魚介類は日本海の小浜へ早朝から買い付けに行っているそうで、天然ハマチをなますと共にカルパッチョでいただいたり、スダレ貝をワイン蒸しにしていただく。お酒もすすむ。

熟成ロースの炭火焼、万願寺とうがらしと山ワサビを添えて。分厚いのにとにかくやわらかく、絶品！

メインは熟成ロースを炭火焼にしてもらう。添えられた山わさびとの相性が最高に美味しく、いくらでも食べられる。

「もう1杯いかがですか」とのお誘いに頼んだ、ニュージーランド産のワインがこれまたうまい。
「ニュージーランドで１年ほど過ごしたことがあって、実はワインがおいしいんですよ」
偶然にも、私もニュージーランドに行ったことがあり、その話で盛り上がる。初めて入ったお店のマスターとこんな共通点があるとは驚いた。

肉も魚も野菜も存分に堪能し、〆はパスタにしてもらう。ニンニクとオリーブオイルのソースが香る、シャキシャキ水菜がトッピングされたシンプルなパスタ。が、ここで、お皿を目の前にして、これでもか！ほどのイクラがかけられていく。いや、これは贅沢だ。口に入れた瞬間、もはや至福の時間。

ひとり旅でこんなおいしい食事と、マスターとの会話も楽しいゆったりとした時間を過ごせるとは思いもよらず。

「おいしい食材を美味しく食べていただくことにこだわったら、このスタイルになりました。調理の時間をいただきますが、どんな料理ができあがるか楽しみにしながら、のんびり過ごしていただけたら嬉しいです」

マスターが気さくで、料理もお酒もとてもおいしく大正解！メニューと値段はその日に仕入れた食材で毎日変わり、好みに合わせて調理してくれます。マスターが一人で切り盛りしているので、料理を待つ時間は多少ありますが、ゆったりした時間とちょっと贅沢なおいしい食事を堪能できました。