～ LINK｜店に集まる一人ひとりが主役！老若男女が集い、人と人とがリンクする、夢が生まれる創造空間
呉の街をのんびり散策しています。中心部を流れる堺川を渡り、中通というエリアに入ると、どことなく懐かしい昭和の都会感が漂ってきました。
そんな中、ふと、おしゃれな外観のショップが目に入ってきました。ショーウィンドウにはかわいらしいアクセサリーも展示してあります。
お店の名前は「LINK」。壁面にはボディピアス、スムージー＆カフェ、ライブ＆イベントと書いてあります。こんなところでスムージーが飲める！ちょうど喉も乾いているし、健康にも良さそう。ならばとお店に入ってみることにしました。
スムージー&カフェバー「LINK」
「いらっしゃいませ。」
おっと、見た目、インパクトのある店主さんです。大きな耳たぶのピアスに独創的な衣装。個性のかたまり、まるでアーティストのようです。
とても気になるところですが、取り急ぎスムージーを注文。
店主さんは早速、手際よくフルーツと野菜をカットし、ミキサーにかけます。添加物などは一切入っていない、自然素材そのものです。
「野菜の根っこまで入れると若干青臭くなるけど、健康にはええですが、どうしましょう？」
気持ちの良い広島弁で好みを聞いてくれる店主さん。
「ぜひ入れてください。」
ふだん野菜の根っこまで食べることはないので、ここぞとばかりに入れてもらいました。
「お待たせしました、どうぞ！」
おいしい。青臭さは気にならない。半日分の野菜と果物はこれ１杯で十分とれているのではないかと思うと、ちょっと健康に気を遣う自分を褒めてあげたくなるものです。野菜が苦手な方はフルーツメインのスムージーもあるので、好みを相談すればおすすめのスムージーを教えてくれます。
さて、風貌がとても気になる店主さん。このお店は、スムージーやミックスジュース、コーヒーやお酒を提供するカフェ＆バーでありながら、ピアッシングスタジオでもあるそうです。そういえば壁にそう書いてありましたね。すべて納得です。
１つ気づいたことがあるのですが、このお店には、お客さんがひっきりなしに訪れてきます。それが年代を問わず、まさに老若男女。みなさん店主さんのことを「りゅうちゃん」「りゅうくん」と呼んでいて、とても気さくに会話する姿に、人柄の良さを感じずにはいられません。
音楽のイベント主催や各種イベント出店もするそうで、さながら地元の人気者でいらっしゃるようです。
ピアッシングスタジオ「LINK」
こちらのリンクさん、実は、ピアッシングやピアスの付け替え、販売の方がメインらしいのです。
店主のりゅうさんは、広島でピアッサー（ピアスを開ける人）として修行した後、地元の呉で独立したくて場所を探していたそうなのですが、見つけたこの場所のちょうど隣が八百屋だったことから、スムージーのカフェを併設することにしたそうです。
「ピアス屋ってちょっと怖いイメージを持つ方もいらっしゃるんで、結果として、皆さんに親近感を持ってもらえるお店になりました」
なるほど！すべてがうまくリンクしたようです。
「ピアッシングは身体にジュエリーを直接つけるので、身体の持つ自然治癒力が重要なんです。それにはココロの健康もとっても大事。お客様をできる限りサポートできればと思っています」
りゅうさんはスピリチュアルヒーラーの資格も持っており、リラックス効果の期待できるCBD製品の取り扱いもしています。ココロの健康にまでこだわるのは、店主さん自身の経験から学んだことがあったそうです。
「修業時代に毎日何人ものお客さんを対応していました。お客さんには満足してもらえるんですが、あまりに忙しくなって、自分がしんどくなってしまった時期があったんです。”人のために”をしすぎたんですね」
「自分が心身共に健康でなければ店に立つことはできないし、お客様も心身共に健康であってほしい」
これがすべての原点だと再確認させられたそうです。辿り着いた答えは、「癒すこと、癒されること」がいかに大切かということ。
「まず第一に自分がハッピーであることが一番大事なんだと気がつきました。そのハッピーをおすそ分けするようでありたい」
その言葉を聞いて、りゅうさんのプロフェッショナルな姿勢に大きな信頼感と安心感を抱きました。と同時に、ピアッシングは単に穴をあけるだけの行為でなく、奥が深いものだと理解しました。
シェアショップ「LINK」
もう１つ、このお店で気になるのが、お店の半分はステキなアクセサリーや洋服が展示されており、かわいらしい女性の店員さんがいらっしゃいます。そちらにもひっきりなしにお客さんが訪れているのです。
「ちょうど始めたばかりなんだけど、店舗の一部を間貸しという形で、meme.（ミンム）さんのショップをオープンしたんです。呉を拠点に活動されている個性表現家さんで、牡蠣殻を使ったアクセサリーを創ったり、デザイナーさんでもあるんですよ」
確かに、１つの店舗スペースを複数の違うお店がシェアする形態は、いまどんどん増えていますね。
イベントや通販をメインに活動していたミンムのクリエイター新見さんとは、あるイベントをきっかけに知り合ったそうです。その後、偶然がどんどん重なり、LINK内にお店をオープンすることになったとのこと。
「ひとりで切り盛りしていると、出張や所用があるとお店を閉めなければならなかったんです。２人でシェアすることで、ピアッシングや物販に集中できるし、活動しやすくなりました」
「私も新見さんも、お互いがそれぞれ自立していて、尊敬し信頼している、だからこそ実現しました」
出会い、タイミング、チャンスをモノにする行動力、ここでもすべてがリンクしているようですね。
今後は、キッチンスペースをレンタルキッチンという形にする構想があり、企画を練っているとのこと。レンタルキッチンの利用者さんと商店街のお店でコラボイベントなども実現させたいそうです。
※「meme.」について詳しくはこちら
イベントショップ「LINK」
私の隣のカウンター席では、ちょうどフリーランスのクラフト＆ジュエリーデザイナーさんとカメラマンさんがいらっしゃいました。
「実は、LINK主催のイベントで知り合ったんです」
ここでの出会いが新たなビジネスチャンスになったというわけです。と言いつつ、今ここで、私もこちらのおふたりと知り合ったわけです。
りゅうさんはさまざまなイベントを企画、実行するプロデューサーの一面も持っており、多くの人がこのお店を訪れる理由の１つでもあるようです。
伺ってみると、地道に活動しているシンガーや演奏者、アーティスト、時には、地元の商店や企業とコラボレーションし、様々なイベントを開催しているそうです。
「自分はきっかけを作るだけ。そうすれば、お互いみんなが紹介し合って繋がっていく。お客さん同士がスキルを Give ＆Takeしながら、新しい可能性が見えてくるのが楽しいんです」
「それぞれが、それぞれの世界観を楽しんで表現することを大切にしています。それが本来一人ひとりのあるべき姿だから。価値観が違うことを個性だと受け入れたら、そこには笑顔が溢れます」
コロナ禍で思うようにイベントができなかった期間もありましたが、それでも発想の転換をするのによいタイミングだったと語ります。
「じっくり考える時間を与えてもらったと感じています。それぞれの悩みを話し合い、一緒に考えた時に、協力する事で可能性が見えるって事がありますよね。おかげで新しい展開が開けました」
何事にも積極的で、一人ひとりの個性を大切にする。そんなりゅうさんの姿勢が、人を惹きつけ、人と人とをリンクさせるのだと確信しました。
まとめ
港町の歴史を感じる呉の街で、思いもよらぬステキな出会いがありました。
りゅうさん、この方がいると周りがパッと明るくなります。多くの人がこの方に会いにやって来るというのも納得です。
ピアッシングを通じて、ココロとカラダのケアが大切であることに気づかせてくれるLINKさん。気さくなオーナーが経営する、心地良く、一人でも気軽に立ち寄れるカフェ＆ショップです。
そして、まさに、ここはポジティブな人脈のリンクが生まれる場所です。
おいしいスムージーと楽しいお話をありがとうございました。至福のひと時を過ごすことができました。また呉を訪れるときには絶対に立ち寄らせていただきます！
【この人～出会い～】
中村龍一さん
ヒーラーの資格を持つ異色のピアッサー兼カフェオーナー。2016年にLINKをオープン。2021年からはCBD製品の取扱いも始める。
次の夢は旅するピアス屋。店まで遠い方のために、車で移動できる店舗を持ちたいそうです。
【店舗データ】
Link Body Piercing × Cafe
広島県呉市中通2丁目1-19 大黒ビル101
ホームページ
≪営業時間≫ 11:00～19:00 木曜お休み
≪アクセス≫ JR呉駅 徒歩10分
※「meme.」について詳しくはこちら
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