~〈石井味噌〉創業は慶応4年!松本で150年以上続く昔ながらの伝統製法を続ける、老舗の味噌蔵を訪れてみた。
以前訪れた、松本にある海鮮居酒屋「万事屋(よろずや)」さんの看板メニュー「牡蠣の味噌漬け」がとても美味しくて、それに使われている「石井味噌の信州三年蔵赤味噌」に興味深々。
そこで、実際に石井味噌の工場を訪れてみました。
普段なかなか見ることのできない味噌蔵を見学、味噌づくしのグルメを堪能、さらに味噌スイーツの直売所もあってと、絶好の観光スポットでした!
創業は慶応4年!
松本の中心市街地にある石井味噌は、1868年から150年以上も続く老舗の味噌工場です。1868年って、慶応4年=明治元年なんですよ!しかも、昔ながらの杉の大樽で味噌を発酵させる、伝統的な作り方を続けている数少ない蔵元です。
古い建物や大きな蔵が現役で残り、ガイド付きで味噌蔵の見学ができます。さらに、石井味噌さんの代名詞とも言える、天然醸造「三年味噌」を使った絶品ランチもいただけます(※)。
(※)空いているときは予約なしでもOKなようですが、予約していくことをおすすめします。
ちなみに「三年味噌」とは、丸3年間も木桶の中でじっくり熟成発酵させた味噌のこと。深みのある芳醇な旨味とコクが特徴です。
場所は松本市美術館の南側。ドラマ「白線流し」ロケ地にもなった深志神社と、薄川の中間にあります。
少しわかりにくいロケーションなのですが、観光バスが1日に何台もやって来るほど松本の人気観光スポットになっています。
味噌蔵ガイドツアー
大きな駐車場の端から細い路地のような入口を進むと、蔵造りの建物が現れます。個人で訪れたときは直売所店舗が受付になっています。事前に予約して行ったのですが、ちょっと早めに到着。私が訪れた時はタイミングよく、バスで来る団体さんがいたので、味噌蔵の見学はそこに混ぜてもらいました。
案内のお兄さんがノリノリで話が上手!本業は味噌づくりの職人さんだそうですが、今ではガイドとどっちが本業か分からなくなっているそうです(笑)。
お兄さんに導かれて蔵の中に入ります。まず目に飛び込んで着たのが巨大な木桶です!
人の身長以上の木桶がズラリと並ぶ光景は大迫力です!この巨大桶は杉でできており、1桶になんと4.5トンもの味噌が入っているそうです!
「長野県は全国の味噌出荷量の5割を占めるんです」
「味噌には米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌といった種類があり、信州味噌は大豆と米麹で作られる米味噌です」
今までなんとなく知っている程度だったことですが、丁寧に説明を聞くことで理解度が増しますね。それにしても、長野県が全国の味噌出荷量50%を占めるのには驚きました!
石井味噌さんの看板商品「三年蔵赤味噌」は、この杉桶で3年間熟成されたものなんです。
手間をかけた味噌作り
原料の大豆は食物繊維が豊富な国産大豆、仕込みには「平成の名水百選」に選ばれている北アルプス山系の湧水を使用しているそうです。
さらに、市販されている味噌に使われているような、速く熟成させるための発酵促進剤などは一切使用していないとのこと。美味しいだけでなく、身体にも嬉しいんですね。
味噌ができるまでの工程はどれも驚きの連続で、味噌づくりの職人さんが熟成の進み具合に気を配り、いかに手間ひまを惜しまず作っているのかを実感できます。
その中でも特に印象に残ったのが「天地返し」という作業。熟成度を均一にするために、別の桶へ移し替えるという工程が欠かせないそうです。上にあった味噌が下になり、下にあった味噌が上になることから天地返しというのですが、これを人力で、手作業で行うんです!1桶分だけで4.5トンですよ!
実際の作業をYoutubeで見ることができます。
今日ガイドしてくれているお兄さんもこの作業を行うそうです。本当に大変らしいです。
それにしても、こうやって直接お話しを聞けるというのはおもしろいですね。
こんなに手間暇かけて作られる味噌がおいしくないわけがない!ということで、いよいよランチ実食です!
絶品!豚汁ランチ
メインの御食事処は団体さんが使うとのことで、奥の方の建物へ通されたのですが、ここがすばらしかった!日本庭園がある伝統的な建物。赤いじゅうたんが敷かれ、ここは明治時代か、大正時代か!?といった和モダンの内装、雰囲気最高です。
ランチでは、信州三年味噌で作った特製豚汁、秘伝の三年味噌だれの焼きおにぎりなどを食べることができます。ちょうど訪れた時は、1日10食限定「石井味噌の蔵元のランチ」のほか、期間限定の「信州豚ロース 味噌生姜漬御膳」「信州豚ロース 塩こうじ漬御膳」などもありました。
今回は、テレビ番組でも紹介され話題となった「味噌ぎょうざランチ」をいただきます。
席に着くとほどなくして運ばれてきました。こちらです!
美味しそう!芳醇な味噌の香りがたまりません!早速、豚汁からいただきます。
あ~、本当に美味しい。身体に染みわたります。赤味噌を使用しているので見た目は濃そうですが、味はとてもマイルドです。大きな汁椀にダイコン、ニンジン、豆腐と具だくさん、食べ応え十分な豚汁です。
続いて、三年味噌を練りこんだ「味噌餃子」。もちもちジューシー!味噌のコクで味に深みが増し、ややこってりとした味わい。タレなしでもとっても美味しいです!
野菜サラダには三年味噌使用を使用した「胡麻・酢味噌ドレッシング」をかけて。このドレッシングがこれまた美味しいのです!ちなみに、味噌ぎょうざにつけても相性抜群です。
ご飯は「味噌焼きおにぎり」とシンプルな「白米のおにぎり」です。「わさび味噌」「味噌漬けのお新香」とよく合う!日本に生まれて良かった~と思える瞬間でした。
※おかず味噌は、金山寺味噌、から味噌、ふき味噌などメニューによって変わるようです。
とにかく味噌尽くし!素朴ながら豪華なランチ。お腹も心も満たされて大満足です!ごちそうさまでした。
信州味噌を使用した様々なお土産
ランチが終わったらお土産です。美味しいことはすでに証明済み!購入するのに躊躇はありません。
このほかにも、味噌蔵の塩麹や、ランチでいただいたおかず味噌、フリーズドライの豚汁などなど、たくさんありますよ。
最後に、味噌ソフトをいただきました。
石井味噌さんの三年味噌は味・香り共に最高の逸品です。お土産や贈答用はもちろん、自分へのご褒美にも。オンラインショップも用意されていますから、ぜひ利用してみてください。
こちらからも購入できますよ。
まとめ
長野県は全国の味噌出荷量の5割を占める、まさに味噌大国!長野県って日本トップクラスの長寿県でもあるんですよね。もしかしたら、信州の味噌文化が健康長寿の秘訣の1つなのかもしれません。
中でも、昔ながらの伝統製法にこだわり、手間暇かけてつくられる「石井味噌」さんの信州味噌は絶品です!
実際に訪れてみると、蔵の見学で味噌づくりの知識も得られて、おいしい食事やスイーツをいただくこともできて大満足!三年味噌の豚汁は最高に美味しかったです。
松本駅から徒歩で15分ほど。住宅街の中にあるので、個人で行くにはまだ穴場観光スポットと言えるかもしれませんが、ぜひ一度訪れてみてください。
団体客が入ると人手が足り無さそうですので、味噌蔵の見学と蔵元のランチは、予約を入れておくことをおすすめします。
【店舗データ】
石井味噌
長野県松本市埋橋1丁目8−1
ホームページ
≪営業時間≫ 12:00~19:00(月曜休み)
≪アクセス≫ JR松本駅から徒歩15分、「まつもと市民芸術館前」バス停から徒歩5分
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松本で見つけたお土産
石井味噌の三年蔵赤味噌|味・香り共に最高の逸品です。赤味噌・白味噌・調味料の詰合せセットは、贈答用にもおすすめです。