~ 韓国を訪れる日本人の9割が行かない、旧日本人街、中華街、童話村。海と歴史の風情が楽しめる港町、仁川の観光スポットをご紹介。
仁川(インチョン)というと、韓国・ソウルへ行く時に利用する空港をイメージしますよね。
仁川国際空港からソウルに直行する方がほとんどなので、空港から離れたところにある仁川の街を訪れる方は、ほとんどいないのではないでしょうか。
仁川の旧市街地には、チャイナタウンや日本家屋通りといったレトロな街並みが残り、地元の方たちの人気観光スポットになっているそうです。そこで今回、初めて仁川の旧市街を訪ねてみました。
仁川ってどんなところ?
仁川はソウル・釜山に次いで人口が多い韓国第3の都市で、広域市(政令指定都市)に指定されています。仁川国際空港からソウルに移動する時に見える、広大な干潟やのどかな風景からはあまり想像できないですが、仁川は人口約300万人という大都市です。
1883年、鎖国をしていた朝鮮王朝が仁川を開港。以降急速に発展しました。
開港によって栄えたエリア(旧市街)には、チャイナタウンや日本家屋が並ぶ通りなど、歴史を感じられるスポットが数多く残っています。
レトロな街並みが残っているのは、ソウル地下鉄1号線(京仁線)の仁川駅周辺です。韓国で初めての鉄道も、ここ仁川から開通したのだそうです。
ソウルから最も近い海でもある仁川へは、電車で約1時間で来ることができます。
陸続きの月尾島(ウォルミド)は海辺のレジャースポットとして整備されていて、多くの行楽客で賑わっています。
仁川は首都ソウルからの距離感、国際貿易港として発展した歴史、そして中華街。どこか横浜と似ているなと思いました。調べてみると、仁川市と横浜市とはパートナー都市協定を結んでいて、交流を深めているのだそうです。
※仁川のもうひとつの一面、高層ビルが立ち並ぶ近未来都市・松島(ソンド)地区についてこちら。
仁川レトロ観光のモデルルート
仁川レトロを巡る観光スポットは、仁川駅から半径2㎞の中に、ギュッと集まっています。仁川駅前から始まる中華街を中心として、両隣りに童話村と旧日本人街(開港場通り)が一帯となっています。
1日あれば行っておきたい観光スポットをほぼ巡ることができるので、ソウルに宿泊していても、日帰り旅行として観光とグルメを楽しめます。
松島(ソンド)エリアと一緒に観光したい場合は、仁川シティツアーバス〈仁川レトロライン〉を利用するのが便利です。松島の総合観光案内所のほか、仁川駅前の観光案内所でもチケットを購入、乗車することができます。
※仁川シティツアーバスについての詳細はこちらを参考にしてみてください。
仁川駅へ行く
仁川旧市街の最寄り駅は「仁川駅」で、ソウル地下鉄1号線(京仁線)と、水仁盆唐(スインブンダン)線が乗り入れています。ソウル市内、水原市内からそれぞれ約1時間です。
1号線の場合、仁川駅を発着する列車は10分~15分おきにあります。
ソウル方面からは1つ手前の東仁川(トンインチョン)駅止まりの列車も多いので注意が必要です。
というのも、旧市街エリアは東仁川駅がメインターミナルになっていて、仁川国際空港への路線バス(306番)も東仁川駅前から発着しています。
仁川駅の1号線ホームは地上にあります。列車を降りるとすでにちょっとレトロな雰囲気が漂っていて、ローカル線の終着駅のような佇まいです。
駅舎を出ると、右側に観光案内所と月尾島へのモノレール乗り場、左側少し進んだところにバス乗り場があります。
仁川駅は韓国で最初にできた鉄道駅で、駅前には「韓国鉄道 誕生駅」と書かれた蒸気機関車の石像があります。
観光案内所では、日本語で書かれた観光マップやパンフレットを入手できます。日本語を話せるスタッフさんはいませんでしたが、英語を話せる方はいました。
駅前の道路を渡るとすぐに中華街が始まっていますが、今回は先に「月尾島」を訪れます。
月尾島で海を見る
月尾島(ウォルミド)は元々は島でしたが、現在は埋め立てによって陸続きとなっています。海辺のレジャースポットとして整備され、多くの人が訪れる人気の観光地のひとつです。
仁川駅からバスで約10分という近さです。北回りと南回りの路線がありますが、どちらも終点で下車すれば大丈夫です。
バスの他に、月尾島を35分かけてぐるっと一周する「月尾海列車(モノレール)」で行くこともできます。
月尾海列車は高架上を走行するので、車窓からの眺めは抜群!なのですが、時速10kmと超低速。人間が走ったら追いつきます(笑)。移動手段というより、のんびり走るアトラクションです。
海岸沿いの「月尾文化通り」は、きれいに舗装され散策コースになっています。
あちこちにオブジェが点在し、おしゃれなカフェや飲食店が並んでいて、海を見ながらのんびり過ごすとほんとに気持ち良い場所です。
島内には遊園地や博物館、魚市場、トレッキングコースなどもあり、月尾島だけでも1日過ごせてしまいます。
⚠️月尾海列車(ウォルミ パダ ヨルチャ)は定員制のため、休日には満席で乗れないこともあります。チケットの事前予約は可能ですが、ネット予約には韓国の携帯電話番号が必要です。
・ホームページ(日本語)・予約ページ(韓国語)
●月尾海列車に乗車できるツアープランがあります!
【KLOOK】〈ソウル市内発着〉インスパイアリゾートと月尾海列車乗車付き日帰りツアー
月尾島から仁川駅に戻って、チャイナタウンへ向かいます。
仁川チャイナタウンを食べ歩く
仁川駅のすぐ目の前に、中華街のシンボルとも言える朱色と金色の大きな門(牌楼)が建っています。
門をくぐると、200mほどのなだらかな上り坂になっており、中華料理店や雑貨店が軒を連ねています。つきあたりの三叉路を横切る通りが中華街のメインストリートです。
北側へ向かう
三叉路を左折すると、朱色の迫力ある建物が3棟並んでいます。有名な中華料理店で、多くの人で賑っていました。
その横には「皇帝の階段」と呼ばれる長い階段があります。5階分もあり、それぞれの階にお店があります。階段を上った先は自由公園に繋がっています。
かわいらしい店構えながら行列ができる人気店「山東厨房(サンドンジュバン)」。担々麺、チャジャンミョン(韓国風ジャージャー麺)、タンスユク(韓国風酢豚)が美味しいと評判です。
南側へ向かう
三叉路を右折した辺りは、チャジャンミョン通りと言われるほど、チャジャンミョンを出す中華料理店が数多くあります。
また、肉まん、お菓子、お土産、フルーツ飴など、いろいろなお店や屋台が出ていて、食べ歩きするのが楽しいスポットです。
中華街のあちこちで見かけるのが「コンガルパン」。パンと名前がついていますが、デカくて固い!しかも中は空洞で、食べられる部分は外側だけなんです。かち割ってお菓子のような感覚で食べます。試食できるお店も多いので、一度食べてみてください。
チャジャンミョン通り
仁川チャイナタウンはチャジャンミョンの発祥地としても有名で、チャジャンミョン博物館まであります。
建物は実際に中華料理店として使われていたもので、当時の店内の様子が復元されていたり、韓国の時代背景や食文化も知ることができます。
メインストリートから路地を入ったところにも人気店が点在しています。
「新勝飯店(シンスン パンジョム)」は行列必至。豚のひき肉と野菜をみじん切りにしたソースがかかるユニチャジャンが美味しいと評判です。
いまや、韓国の国民食の1つとも言われているチャジャンミョン。韓国料理ですがまったく辛くありません。どちらかというと甘みが強い味わいなので、子どもから大人まで大人気です。
白いソースのジャージャー麺というのもあるそうなので、今度ぜひ食べてみたいと思います。
松月洞童話村でメルヘンの世界に浸る
南北に伸びるチャイナタウンのメインストリートを北へ向かうと、松月洞童話村(ソンウォルドン ドンファマウル)が続いています。
家々が世界の童話をテーマにした壁画やアートで飾られていて、シンデレラ、オズの魔法使い、ピーターパンなど、街全体で11種の童話を楽しむことができます。
松月洞童話村は一般の住宅街に装飾が施されているエリアなので、入場料などはかかりません。
飛び出す絵本みたいな立体的な壁画やオブジェなどもあって、路地を歩くほどにおもしろい発見があります。
大人でもメルヘンの世界に入り込んだような感覚になります。
小高い丘陵に住宅街が広がっているので、階段や坂が多いですが、かわいらしい絵を見ながらのんびり散策すれば、気分がほっこりしてきます。
以前は一般の住宅街だったそうですが、街を活気づけようと壁画を描いたら評判となり、広まっていったとのこと。今ではカフェや雑貨店、体験工房などもできて、子どもから大人まで楽しめる、人気SNS映えスポットになっています。
旧日本人街(開港場通り)を散策する
南北に伸びるチャイナタウンのメインストリートを南へ向かうと、旧日本人街(開港場通り)へと続いています。港を見下ろせるなだらかな坂道のある風景は、どこか函館や小樽に似たような雰囲気を感じるほどです。
明治・大正・昭和初期の面影を感じさせる、木造の落ち着いた印象の日本風家屋が並んでいて、ちょっとタイムスリップしたような感覚になりました。
赤や黄色の鮮やかな色彩の中華街から、ガラッと趣が変わるのも興味深いです。
開港場通りの入り口付近には、かつて清(中国)と日本の租界地の境となっていた階段が残っています。石灯籠や建物のデザインが階段の西側(中国式)と東側(日本式)で異なっています。
※租界とは、開港地で外国人が居住し、治外法権が認められていた地域のことです。
開港場通りにある博物館や展示館の中で、ぜひ見ておきたいのが「仁川開港博物館」です。
日本の第一銀行(その後、朝鮮銀行)だった建物を改装した博物館で、街の成り立ちや昔の貨幣、郵便制度、韓国初の鉄道など、仁川の発展の歴史に関する資料が展示されています。
開港博物館の辺りは金融街だったようで、このほかにも重厚な石造りの建造物が残っています。
最盛期には約1万人もの日本人が仁川に住んでいたそうです。
開港場エリアでは、当時のレトロな雰囲気を再現するように、民家や店舗の改装が進められています。カフェやレストランにもなっているので、途中で休憩を入れながら、じっくり街歩きを楽しめます。
【施設情報】
仁川開港博物館
인천개항박물관
ホームページ(韓国語)
[営業時間]9:00~18:00 ※休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌日休み)
※開港場通りをさらに進むと、新浦国際市場、東仁川駅、冷麺通りへと歩いていくことができます。続きは次のブログでご紹介しています。
まとめ
今回は、韓国を訪れる日本人の9割が行かないであろう、海とレトロな風情を楽しめる、仁川の旧市街を旅してみました。
仁川駅を中心としたそう広くないエリアに、旧日本人街、月尾島、中華街、童話村といった観光スポットがギュッと詰まっているので、ぶらり街歩きには最高のロケーション!
グルメやアトラクションを楽しみながら、近代の発展の歴史を知ることもできるので、知識欲も満たされて充実した時間になりました。
ソウルに滞在していても、日帰り一人旅が可能です。KKday や KLOOK などのチケットサイトでは、仁川の人気観光スポットへの日帰りツアーも予約できるので、ぜひチェックしてみてください。
ソウルでは味わえない港湾都市の魅力や、まだ多くの人が知らないフォトスポットがたくさん見つかる仁川の旅。韓国旅行のリピーターさんで、「日本人観光客が少ない穴場スポットを訪れてみたい!」という方にぜひおすすめです!
⚠️韓国ではGoogleマップの徒歩ルート検索ができないので、NAVER Map(ネイバーマップ)アプリをダウンロードしておくと便利です。
航空券・ホテル・ツアーの予約
■仁川で人気のレジャースポットや交通チケットは、KKday や KLOOK などのチケットサイトから、事前購入しておくのがおすすめです。ソウルやプサンの人気バスツアーもお得に利用できます。
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