~現代的で斬新なデザインのファッションアイテム『本野はきもの工業』が創り出す、現代のライフスタイルに合う日田下駄がすごすぎる!
博多から約1時間30分、大分県日田市にやって来ました。今回、日田を訪れたのには理由がありました。日田の特産品でもある「日田下駄」を購入したかったのです。
「下駄メーカーの直販所に行って、カッコいい下駄を買いたい!」
数ある下駄店の中で、斬新なデザインの下駄を製造販売している「本野はきもの工業」さんを訪れました。メディアにも多く取り上げられる有名店で、「下駄王子」と呼ばれる店主さんにも会えました!
下駄について
「日田下駄」とは?
日田は豊富な杉材に恵まれ、江戸時代から下駄の三大産地の一つに数えられています。
日田杉を材料に、日田の工場で製造され、日田の職人により作られた、まさに “Made in HITA” のものを「日田下駄」と呼ぶそうです。
杉材でつくる日田下駄は、軽くて丈夫なのに、柔らかくクッション性もあるので、履き心地がよく、疲れにくいのが特徴。さらに自然な木目の美しさを際立たせる技術が確立されていて、一つとして同じ物がないという特別感も魅力です。
医師もすすめる下駄履き生活
下駄を履くことで健康促進も期待できるそうで、外反母趾の予防、蒸れによるニオイの発生を抑えやすい、姿勢が良くなる、指や足裏の筋力の向上などなど、下駄は良いコトづくしなんです。
いま再びその特徴が見直され、下駄はちょっとしたブームになっているようです。
実際に、私が数年前に足をケガした際に、医師から鼻緒のついた履物をすすめられました。
ビーチサンダルなどを室内履きに使っていたそんなとき、「ひーる下駄」という斬新なデザインの下駄を紹介する「下駄王子」のテレビニュースを目にして、衝撃を受けました。
「下駄がこんなにおしゃれになっているのか!」
調べてみると、まるでファッションアイテムのような様々なデザインがあり、若き下駄王子の手により現代的なデザインに生まれ変わっています。
本野はきもの工業へ行ってみた
「本野はきもの工業」とは?
昭和23年に創業した『本野はきもの工業』さん、2代目ご夫婦と3代目ご夫婦の家族4人で下駄の製造から販売までを手掛けています。
スタンダードな日田下駄の価格帯は3,000円台~。リーズナブルな価格の下駄は、複数購入してバリエーションを楽しんだり、履きつぶして新しく買い替えることを前提に購入される方が多いそうです。素材やデザインによりこだわったものは10,000円~30,000円台。こちらはメンテナンスをしながら長く履かれる方が多いそうです。
本野はきもの工業を一躍有名にしたのが「はいひーる下駄」です。高さ9cm、さらにかかと同士を合わせるとハートが現れるという斬新なデザインで、国内外の女性からファッションアイテムとして注目を浴び続けています。
もちろん、デザインだけでなく確かな技術があってこそ。台となる軽くて強い日田の杉材選びから、鼻緒の素材や締め具合など、見た目には分からない「履きやすさ」が本野はきもの工業のこだわり。先代が培ってきた感性と匠の技を3代目が継承していらっしゃいます。
日田の魅力を伝える下駄王子!
店内に入ると、テレビで見たあの方が目の前に!「下駄王子」と呼ばれる3代目店主の本野雅幸さんです。メディアやイベントにも多数出演し、日田下駄のPRに一役も二役も買っていらっしゃいます。
下駄のオーダーメイドや現代のライフスタイルに合う製品開発を行い、スノーピークやBEAMS JAPAN、レクサスのプロジェクトなど、数々のブランドとのコラボレーションも手掛ける、スーパー下駄職人さんなのです。
さらに、あの豪華列車クルーズトレイン「ななつ星in九州」のアクティビティで、日田下駄の鼻緒付け体験を開催しています。
「左右対称に微調整するのが難しく、参加した皆さん真剣に取り組まれます。だからこそ、できあがった時の達成感で皆さん盛り上がるんです」
中には「このまま履いて帰っていいですか?」という方もいらっしゃるそうで、お客様に喜んでいただけることがとても嬉しいそうです。
お洒落でスタイリッシュな店内
木のぬくもりを感じながらもスタイリッシュなデザインの店内。伝統的な日田下駄からオリジナリティあふれるデザインまで、様々な形、色とりどりの下駄がズラリと並ぶ光景は圧巻です。
タレントさんや有名人も多く来店されているようで、サイン(色紙が下駄!)がたくさん飾られていました。
店舗の奥は自社工房になっており、削り出し、型を取り、塗装し、納品するまで
下駄はファッションアイテム!
本野はきもの工業さんのデザイン下駄は、着物・浴衣だけでなく、洋服にも合わせやすいのが特徴。サンダル代わりに、気軽に普段履きができる汎用性の高さが嬉しい限りです。
さらに、裏にはゴムがついています。アスファルトの上ではカランコロンが響きすぎちゃうのだそうです。こういったところも現代のライフスタイルに合わせてアレンジされています。
【形】
・はいひーる下駄 ・みゅーる下駄 ・つっかけ型 ・角型 ・丸型 ・ピーナッツ型 ・二の字型 ・キング下駄 ・一本歯下駄
【素材・アート】
・木目を楽しむ焼き加工を施した「白焼」
・汚れが目立ちにくい「黒塗」
・アクリル板を挟んだ「くりあげた」
・台に布生地を貼り、特殊加工でコーティングした「布あそび下駄」
・ネイリストとコラボした「デコ下駄」
・ペインターとコラボした「アート下駄」
そのほか、進撃の巨人のとコラボした公式グッズや、日田下駄と特産の日田梨のギフトセット「なしとげた」など、斬新なアイディアの商品が次々と生み出されています。
「繰り上げた」や「梨と下駄=成し遂げた」といった、もじったネーミングも楽しいですよね。
これらの形や素材を組み合わせて、オーダーメイドすることも可能です。オンラインショップも用意されていますから、ぜひ利用してみてください。
実際に購入してみた
「試し履き」で履き方を教わる
気になるデザインがあれば試し履きができます。下駄王子が履き方のコツをアドバイスしてくれます。
「ふつうの靴の感覚とは違っていて、かかとや小指が少し出るように履いていいんです」
「最初は鼻緒が硬いので、キツイと思うかもしれませんが、履いてるうちになじんできます」
「鼻緒は少し外側に開くようにしてから足を入れると履きやすいですよ」
なるほど、日本で生まれ育ったのに、日本の伝統工芸品について初めて知ることばかりで勉強にもなります。
布あそび下駄を選びました
いくつか試し履きさせていただいて、私が選んだのがこちら。
福岡県久留米市の綿織物「久留米絣」を使用した「布あそび下駄」。独特なかすれ模様に一目惚れしました。特殊コーティングの艶感とつるんとした感触も良く、足の裏にフィットする感覚が最高の履き心地です!
下駄は左右がないので、時々、左右を入れ替えて履くと裏ゴムや鼻緒のすり減りが均等になり長持ちしやすいのだそう。裏ゴムや鼻緒のメンテナンスも行ってくれるのは嬉しいですね。
とても良い買い物ができて、満足このうえなしです。本野さん、ありがとうございました!
サンダル代わりに普段履き!
せっかく購入したお気に入りの下駄。浴衣や着物の時にしか履かないのは勿体無い!というわけで、実際に、ふだんの生活の中で履いてみています。
最初は鼻緒が硬いので、家の中でスリッパ代わりに少し履きならしました。2~3日履くだけでずいぶんフィットしてきました。裏にゴム底がついているのでフローリングでも大丈夫でした。
いまは、ちょっとそこまで、近場に行くときのサンダルの代わりに履くのですが、これがですね、とてもおしゃれでカッコいいんです!ジーンズでもなんでも、サンダルOKな服装であれば何にでも合いますよ。
まとめ
伝統工芸品の日田下駄を、現代のライフスタイルに合う斬新なデザインにアレンジし、オシャレアイテムとしての地位を確立させた「本野はきもの工業」さん。
匠の技を受け継いだ伝統工芸品としても、現代的なデザインのファッションアイテムとしても、そして健康をサポートしてくれる実用品の履物としてもすばらしい、価値のある買い物ができました。
日田に行ったときは、本野はきもの工業さんの店舗をぜひ訪れてみてください。実際に実物を手に取ってみると、下駄のイメージが180度変わりますよ。
「普段履きできるMOTONO下駄」は最高にカッコいい!
自分用にはもちろん、大切な人へのプレゼントとしてもきっと喜ばれるはずです。
【この人~出会い~】
本野雅幸さん、本野恵美さん
「お客様の『履きやすい』という言葉が大好物なんです」「デザイン性と履き心地の調和を大切にしたMOTONO下駄を、ぜひ楽しんでもらいたい」と語る本野さんご夫妻。
伝統と確かな技術を受け継ぎながら、現代の生活に合う新しい下駄づくりと、革新的な販路を開拓し続けていらっしゃいます。
【店舗データ】
本野はきもの工業
〒877-0036 大分県日田市三芳小渕町1080-3
ホームページ
Instagram
≪営業時間≫ 9:00 〜 18:00 不定休 ※店舗に訪問する際には事前にご連絡を!
本野はきもの工業への行き方
【車で行く】
大分自動車道日田ICより車で約12分、駐車場有り
【公共交通機関で行く】
バスと列車を使うことができますが、いずれも便数が少ないので時刻表をチェックしてください。
①日田バスターミナルからバスで行く
・日田バス「下井手入口」バス停下車、徒歩1分(杖立線、五馬線)
・日田バス「下井手」バス停下車、徒歩3分(杖立線、森町線)
・ひたはしり号「五反田病院」下車、徒歩5~7分(新Bコース)
②列車で行く
・JR豊肥本線 豊後三芳駅から徒歩11分
③日田温泉街から散歩する
・三隈川沿いを1.5㎞ほど、徒歩約20分
■時刻表はこちら
→ 日田の路線バス・ひたはしり号
→ 豊後三芳駅時刻表(JR九州)
■実際の日帰りモデルプランはこちら
■こちらからも購入できます。