~赤い2つのアーチ橋と、極狭の海峡をひっきりなしに行き交う大型船。タイムスリップしたような昔ながらの町並みを巡る癒し旅
松山・広島割引きっぷで乗った高速船スーパージェット。心地よい疾走感にひたっていると、急にスピードダウンする場所がありました。呉市の音戸の瀬戸です。
左右の両岸が間近に迫り、歩く人の顔も分かるほどの狭い海峡を船は進みます。
調べてみると、とても歴史のある場所ということが分かったので、実際に行って散策してみることにしました。
音戸の瀬戸とは?
音戸の瀬戸は、呉市の警固屋(けごや)町と倉橋島の音戸(おんど)町との間にある海峡です。幅が狭く、潮の流れも速い海峡ですが、ここを1日に大小約700隻の船舶が往来するという、瀬戸内海の交通の要衝となっています。
音戸の瀬戸は、幅の広いところでも約200m、狭いところでは約80mしかありません!空中写真で見るとよく分かります。
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平安時代に平清盛が1162年に開削したと伝えられており、倉橋島にはその功績を称えた「清盛塚」が建てられています。
音戸大橋の倉橋島側のたもと、岩礁の上に石垣を築いた小島のようになっています。
音戸の瀬戸が開削されていた当時、難工事や大工事を行う時に、生きた人間を神へ捧げて神の加護を得るために人柱(ひとばしら)をたてて工事の完成を祈願していたと言われていますが、平清盛は人命を尊重するため、お経を一字一石 心を込め書き記し、それを海に沈めることで人柱に代えて祈願したと伝えられています。その功徳をたたえ,供養のために清盛塚が建立されました。
引用:広島ニュース 食べタインジャー
清盛塚から見た本土。対岸がすぐそこです。潮の流れも速く、リアルに海峡の狭さ実感できます。橋の下を大型フェリーが航行する光景は圧巻です!
2つの音戸大橋
音戸の瀬戸には、音戸大橋(1961年開通)と第二音戸大橋(2013年開通)の二つの赤い橋が架かっています。橋が赤い理由は、平清盛が建立した厳島神社の朱色に合わせているのだそうです。
音戸大橋:路線バスが通りますが、歩道はありません。
第二音戸大橋:路線バスは通りませんが、歩道があり、徒歩や自転車でも渡ることができます。
音戸大橋は両岸の用地が少ないため、日本で初めてらせん型のループ高架橋を採用した橋なのだそうです。
らせんループの中は駐車場になっていて、音戸銀座街への近道になる「かくれ地下道」なんかもあります。
音戸の瀬戸への行き方
音戸の瀬戸へのアクセスには、JR呉駅から広電バス「呉倉橋島線」を利用します。
⚠️ややこしいのですが、「音戸の瀬戸」バス停(宮原線)は、本土側の橋のたもとが終点。音戸大橋を渡りません。「音戸の瀬戸行き」に乗ってしまった場合は、途中の「鍋桟橋」~「音戸渡船口」の区間で、広電バス「呉倉橋島線」、もしくは呉市生活バス「田原藤の脇線」に乗り換えてください。
■アクセス詳細・時刻表はこちら
→ 広電バス(呉倉橋島線)
→ 呉市生活バス(田原藤の脇線)
バスは音戸大橋を渡り、音戸町へ入ります。車窓からは、第二音戸大橋がよく見えます。ただ乗っているだけで絶景です。
かつて、「日本一短い定期航路」といわれている呉市の音戸渡船がありましたが、残念ながら2021年に廃止されました。300年続いたそうです。利用者のいなくなった渡船乗り場の建物が寂しそうに残っています。
現役だったころの渡船の様子。時刻表はなく、船が対岸にいてもすぐ迎えに来てくれていたそうです。もう乗ることができないのが残念です。
おんど観光文化会館うずしお
渡って最初のバス停「清盛塚」が今回の旅の拠点になります。下車するとすぐ目の前に、観光案内所や展示室、ホールや食事処を併設している「おんど観光文化会館うずしお」があります。
1階には地元の特産品を揃えたお土産売場やカフェ、2階には展示ギャラリーやテラス、4階にか刺身や海鮮丼がおいしい「かつら亭」があり、音戸観光の拠点になります。
観光マップやパンフレットを入手することができるので、音戸に渡ったらまずここに立ち寄ると良いです。
とても珍しい、音戸グッズの自販機。その名も「ON DO BRIDGE 缶」。ラムネからTシャツ、帽子まで何でもあり。商品は時期によって変わるそうです。お土産の話題になること間違いなしです!
【店舗情報】
おんど観光文化会館うずしお
ホームページ
休館日 火曜日
広島県呉市音戸町鰯浜1-2-3 TEL:0823-50-0321
アクセス 清盛塚バス停下車すぐ
かつら亭
ホームページ
おんど観光文化会館 うずしお4F
【昼】11:00~15:00(L.O.14:30)
【夜】17:00~21:30(L.O.20:00) 毎週火曜日(祝日の場合翌日)
古い町並みを散策
清盛塚バス停の周辺は古くから栄えた港町。時間さえもゆったりと流れているように感じられる、ノスタルジックな町並みが続きます。日々の喧騒を忘れて、のんびり散策してみました。
路地を入ると、まるでタイムスリップしたかのよう。古い建物をリノベーションしたおしゃれなカフェやクラフトショップ、小さなギャラリーなども点在しています。
130年続く呉服屋をリノベーションしたカフェ&レストラン「天仁庵」は人気のランチスポット。瀬戸内海の新鮮な魚と、無農薬の地元野菜を使ったメニューがおいしいです。
静かな漁港の風景が広がる音戸町。音戸産のしらす干し「音戸ちりめん」は、広島ブランドの名産品としても有名です。ちりめんじゃこのほどよい塩加減と旨みがごはんと良く合います。お土産にも最適です!
音戸の瀬戸公園
脚力に自信のある方は、本土側にある音戸の瀬戸公園を訪れてみるのも良いです。本土側の「音戸渡船口」バス停から徒歩10分ほど、坂道と階段を上がった先からは素晴らしい景観が楽しめます。
特に3月下旬から4月上旬には桜が、4月下旬から5月初旬にはツツジが咲き乱れ、多くの観光客でにぎわいます。
まとめ
極狭の海峡をひっきりなしに行き交う大型船、赤い2つのアーチ橋、タイムスリップしたような昔ながらの街並み。音戸の瀬戸を訪れてみて分かる、潮の香りとゆっくりと流れる時間はとても魅力的でした。
まだまだ紹介しきれなかった穴場スポットがたくさんあるようですので、実際に訪れてみて自分の好きな場所を見つけてみてください。
呉駅から30分ほどで行ける場所なので、呉観光の際にちょっと足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
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