~ ちょっぴり贅沢な大人の旅。レッドカーペットの上質な移動空間!中央線の特急<E353系>グリーン車乗車記。お得に乗れる裏ワザもご紹介!
横浜から長野県松本市へ向かう時、八王子から特急あずさ号を利用するのが最速ルートです。高速バスより料金は高いですが、時間の速さ、正確さ、快適性で優先的に利用している交通手段です。
今回、ちょっと奮発してグリーン車に乗ってみました。特急あずさ号で旅行する際に、少しでも参考になれば嬉しいです。
E353系 特急あずさ・かいじ
特急あずさに使われている車両は2017年にデビューしたE353系です。中央本線を走る特急かいじ、富士回遊、はちおうじ、おうめ も同じ車両です。
特急あずさは9両または12両編成で、1号車が千葉・新宿方面、12号車が南小谷・松本方面です。
グリーン車は9号車なので、ホームの少し松本寄りに停まります。
グリーンの定員は30名です。
車両の半分が客室で、残り半分には車いす対応化粧室(トイレ)、荷物置場、乗務員室になっています。
車両に乗り込むと、シックな赤色の扉にグリーン車のマークが目の前に。これだけでちょっとリッチな気分になります。
ドアの手前に荷物置場があり、大きなキャリーケースを置くことができます。
E353系 グリーン車の座席
扉が開くとまず目に飛び込んでくるのが鮮やかなレッドカーペット!
よく見ると、通路から扉、そして天井へと、空間の真ん中を赤いラインが突き抜けています。
落ち着いたレッドブラウン色の座席が、華やかでもあり上品でもあり、なんともすてきな空間です。
座席は横2-2の4列。シートピッチは1160mm。普通車指定席より200mm(=20cm)も広い!
1160mmというのは東海道・山陽新幹線のグリーン車と同じなんです。どうりで余裕があるわけです。
座席に座ると車両空間はこんな感じです。車内では無料Wi-Fiが使えます。
前の座席の背面にテーブルとネットポケット、ドリンクホルダーがついています。
コンセントは前席の下、フットレストのところにあります。窓側に座った時、もし通路側の人がコンセントを使っていると、コードを跨がないといけないですが。
座席には上下調節可能なまくら、大きく倒れるリクライニング機能がついています。
松本方面の端っこ、座席列8番は一人席になっています。
ちなみにこちらは普通車で、内装は淡いブルーで清々しい印象です。シートピッチは960mm。フットレストはありませんが、無料Wi-Fi、コンセントなどの設備もあり、普通車でも十分快適です。
車窓も楽しみの1つです。おすすめは南側を望むD席です。勝沼ぶどう郷駅を通過するあたりで、ダイナミックな甲府盆地が広がります。そのほか、富士山や諏訪湖を見ることができます。
北側を望むA席からは、八ヶ岳などが見えます。
八王子から約2時間。
ゆとりのある優雅な空間はとてもリラックスできて、車窓を眺めたり、あまりに気持ち良くてうとうとしていると、あっという間に松本に到着です。
※高速バスと鉄道の比較はこちら
グリーン車にお得に乗る方法①
旅行会社の宿泊セットプラン
松本を旅行で訪れる方は、日帰りより宿泊する方が多いのではないでしょうか。
宿泊代も考慮すると最もお得な方法が、旅行会社が販売している「往復の交通とホテルの宿泊をセットで予約できるプラン」です。早めに予約するほどお得です(直前だとそんなにお得でもないです)。
数々の旅行会社がプランを出していますが、個人的に使いやすいのは、日本旅行 や JTB のJR+宿泊プランです。特急あずさ号とのセットで、ホテルの宿泊代が実質2,000円~3,000円程度に抑えられるようなプランもあります。グリーン車も選択できます。
■JTBではお得なクーポンが出ることもあるので、まずはチェックしてみてください。
但し、同じ区間の往復ではない時や、日帰りの時、途中下車したい時などは利用できません。利用の際には条件をよく確認してくださいね。
グリーン車にお得に乗る方法②
韮崎で分割購入する
韮崎駅ってご存知ですか?「にらさき」と読みます。
山梨県の県庁所在地・甲府市の西(松本寄り)にあるのですが、この韮崎駅が八王子~松本のグリーン車にお得に乗るために重要な役割を果たしてくれます。
グリーン料金の仕組み
JRの特急や新幹線のグリーン車に乗車する場合、[運賃(乗車券)+特急料金(自由席|指定席)+グリーン料金]の合計金額になっています。
グリーン料金は、乗車距離で決まっています。50km、100km、150km、200kmと、50kmごとに高くなっていきます。
営業キロ | ~50km | ~100km | ~150km | ~200km | ~250km |
グリーン 特急料金 | 1,530円 | 1,790円 | 3,850円 | 4,510円 | 6,210円 |
八王子から特急あずさのグリーン車で松本に向かう場合、188kmなので運賃+4,510円かかります。
表を見ると、100㎞を超えると大幅に高くなっています。というか、100kmまでの近距離利用が安く設定されているんです。
そこで、韮崎駅を中心に分割してみると、八王子―韮崎間(99.6km)、韮崎―松本間(88.4km)と、どちらも100km圏内に収まるんです。韮崎駅の立地が絶妙すぎます!
実際に分割して購入してみる
[横浜ー八王子ー松本]のルートで、グリーン車特急券を韮崎駅で分割してみると、こうなります。
●通常購入した場合
(運賃) 4,070円[横浜~松本]
(G料金)4,510円[八王子~松本]
================
合計 8,580円
●分割購入した場合
(運賃) 4,070円[横浜~松本]
(G料金)1,790円[八王子〜韮崎]
(G料金)1,790円[韮崎~松本]
================
合計 7,650円
分割購入すると、930円お得になります。
さらに、えきねっと でチケットレス割引を利用すると、
●チケットレスで通常購入した場合
(運賃) 4,070円[横浜~松本]
(G料金)4,410円[八王子~松本]
================
合計 8,480円
●チケットレスで分割購入した場合
(運賃) 4,070円[横浜~松本]
(G料金)1,690円[八王子〜韮崎]
(G料金)1,690円[韮崎~松本]
================
合計 7,450円
分割購入すると、1,030円お得になります。
ちなみに、〈普通車指定席〉をチケットレスで通常購入すると 6,210円なので、追加額+1,240円でグリーン車に乗ることができるというわけです。
ちょっと手間はかかりますが、少しでもお得にグリーン車に乗りたい方は、ぜひ試してみてください。
分割購入で注意すること
● 韮崎を通過するあずさ号は選べない
韮崎までと韮崎からの特急券を購入するので、韮崎を通過するあずさ号には、この技は利用できません。韮崎に停車するあずさ号は約半数で、ほぼ2時間おきです。
ちなみに、全列車が停車する甲府で分割すると…
甲府―松本間が101.3kmになり、100㎞を超えてしまいお得になりません。
● 座席指定をしておく
特急券を購入したら、八王子~韮崎、韮崎~松本が、同じ座席になるように、座席指定を忘れないようにしましょう。
八王子~韮崎から先に取ったほうが、同じ座席を獲得しやすいです。そうでないと、韮崎で違う席に移動しなくてはならない可能性が出てきます。
えきねっとでの購入方法
えきねっとで「乗車駅:八王子」「降車駅:韮崎」で列車を検索します。
乗りたい列車を選び、「グリーン」の「⊕開く」をクリックすると、グリーン車の空席状況と料金が表示されます。
韮崎駅の到着時刻を覚えておくと、このあと韮崎~松本を購入する際にラクです。
「乗車券を申し込まない」で決済します。
乗車券(運賃)は、横浜ー松本を通しで購入した方がお得なので、ICカードで乗車するか、紙のきっぷを別途購入してください。
八王子~韮崎を購入したら、同じ要領で、韮崎~松本を購入します。同じ列車を選んでくださいね。
座席指定を忘れないようにしましょう。八王子~韮崎、韮崎~松本が、同じ座席になるように。
あとで座席変更も可能です。もし、同じ席が取れなくても、韮崎で違う席に移動すればよいだけです。
※せっかくなら、窓枠に邪魔されずにダイナミックな車窓も楽しみたい!ですよね。下り(松本行き)は奇数D席、上り(新宿行き)は偶数D席 がおすすめです。但し、太陽光が入ってくるので、眩しいのを避けたい場合はA席がおすすめです。
まとめ
特急あずさ号のグリーン車に乗ってみた感想です。
・広々とした座席・客室で、揺れも少なく乗り心地が良い!
・静かで快適な空間、リラックスして落ち着いた旅ができる!
・手が届くちょっぴり贅沢な大人の一人旅に最適!
乗っている方々になんとなく優雅な雰囲気を感じるので、自然とそういう空間になるのかもしれません。
ただ、座席数が30席と少ないため、特に新宿~甲府間は利用率が高め。まれに、グリーン車は満席に近いのに、普通車の方が空いている…なんてこともあったりします。それだけグリーン車利用のニーズがあるということでもあるのですが。
座りっぱなしの長距離移動はどうしても疲れます。その移動時間をできるだけリラックスしたい時には、グリーン車はおすすめですよ。
大事な仕事がある時、自分にご褒美をあげたい時などに、ちょっぴり贅沢な大人の旅を満喫できるグリーン車を選んでみてはいかがでしょうか。
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