~勝浦漁港にぎわい市場、奇岩の絶景クルージング、くじらとイルカに出会う旅
紀伊半島南部にある、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の熊野三山を参詣する熊野詣(くまのもうで)。JR紀伊勝浦駅がある那智勝浦町は、世界遺産「熊野古道」が通り、三社を巡る拠点となるほか、グルメ、温泉、マリンレジャーも充実しています。
せっかく勝浦の街に来たので、できるだけいろいろ体験したいと思っていたのですが、意外なほど簡単に叶えることができました。勝浦の観光スポットは、駅前の徒歩圏内にギュッと凝縮されているので、三社巡りの行き帰りや、電車の出発までの時間を使って十分に楽しむことができるのです。
今回、勝浦で本当に行ってよかった、一人旅にもおすすめ観光スポットをご紹介します。
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「にぎわい市場」マグロにクジラにウツボまで、海鮮グルメを堪能する
JR紀伊勝浦駅から港へと続く駅前商店街を歩いて、5分ほどのところにある「勝浦漁港にぎわい市場」。
施設の入口には、吊り下げられたマグロのモニュメントが!さすが、生鮮まぐろの水揚げ日本一を誇るだけのことはあります。
さらに、お隣の太地町は捕鯨発祥の地ということもあり、マグロ、クジラをはじめとした豊富な海の幸、地元の農産物、特産品を販売するお店がずらりと並んでいます。にぎわい市場という名前のとおり、多くの人でにぎわっていました。
館内には飲食ブースもあって、どのお店も行列ができるほど大盛況。新鮮なマグロ丼やにぎり寿司はもちろんですが、忘れてならないのは熊野牛を始めとした山の幸も豊富だということ。鹿や猪などジビエのバーベキューも食べられます。
天気が良かったので、行き交う船と海を見ながら、ウッドデッキでクラフトビールとまぐろ串カツいただきました。最高の休日です!
にぎわい市場に隣接して、無料の足湯「海乃湯」があります。大きな屋根付きの立派な施設で、お湯はもちろん温泉です。足湯の底には見えるのはマグロの絵!さすが勝浦です。ぜひタオル1枚持参して、海を見ながらのんびりと疲れを癒しましょう。
【店舗データ】
勝浦漁港にぎわい市場
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地7丁目12
ホームページ
≪営業時間≫ 8:00~16:00 ※休館日:毎週火曜日
≪アクセス≫ 紀伊勝浦駅から徒歩5分
「紀の松島めぐり」太平洋と奇岩が造り出した絶景クルーズを楽しむ
にぎわい市場から徒歩2~3分のところにある勝浦観光桟橋。ホテル浦島への無料送迎船も出ているこの桟橋から、奇岩の絶景クルーズ「紀の松島めぐり」の遊覧船が出ています。
「紀の松島」とは、勝浦湾の湾口に点在する大小130余りのユニークな形の島々の総称です。広大な太平洋と、ダイナミックな奇岩奇礁が楽しめます。日本三景のひとつ松島にも劣らない美しさであるところから「紀の松島」と呼ばれているそうです。
チケット購入時に「南紀・熊野古道フリーきっぷ(かえり)」を提示すると、乗船料が1割引きになるので、忘れずに提示しましょう。ホームページにも割引クーポンがあるのでチェックしてみてください。
日中のクルーズコースは約1時間ほどですが、今回は時間に余裕があるので、途中の「太地くじら浜公園」で下船して、くじらの博物館を見学することにします。
この日乗船したのは「くじら号」。船の1階は客室と小さなデッキ、2階はオープンデッキになっています。
出航すると穏やかな勝浦湾を進みます。海風がとても気持ちいいです。
湾内の中ノ島を過ぎると早速、さまざまな形の奇岩奇礁が現れます。形もユニークですが、兜島、筆島、洞窟の鶴島など名前もユニークです。この狭い岩と岩の間、ギリギリの所をすり抜けていくときはスリル満点です!操縦士さんの技術に感動します。
ここを抜けると外海の太平洋に出て、一気に視界が開けます。見渡す限りの水平線。それと共に波も高くなるので、船酔いする方は事前準備を忘れずに。
一方で、陸地側を見ると荒波が創り出した断崖絶壁が続きます。ゴツゴツした岩肌や複雑な地形は圧巻です。ちょうどホテル浦島のある半島の反対側にあたるので、海から温泉が湧く洞窟の忘帰洞を見ることもできます。
コバルトブルーの太平洋にポツンと浮かぶ山成島を見たのち、森浦湾に入ります。ここにはラクダのようなコブがある「ラクダ岩」や「ライオン島」など、自然が創り出したシュールな芸術作品があります。偶然とはいえ、おもしろいですね。自然のパワーに感動します。
この先、イルカの調教風景や迫力満点のジャンプを見ることができるコースもありますから、詳しくはホームページをチェックしてみてください。
あっという間の40分。船はくじら浜公園桟橋に寄港しました。そのまま勝浦へ戻ってもよいのですが、せっかくここまで来たので、ここで下船して「くじらの博物館」を訪ねます。
【店舗データ】
紀の松島めぐり
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町勝浦442−20
ホームページ
≪アクセス≫ 紀伊勝浦駅から徒歩6分
「くじらの博物館」クジラにもイルカにも出会える、海のテーマパーク
紀の松島めぐりは、途中「太地くじら浜公園」に寄港します。そこで下船して「太地町立くじらの博物館」を見学しました。
桟橋を降りるとすぐに目に留まるのが大きな船です。北洋・南氷洋捕鯨で活躍した、実物の捕鯨船が展示されています。
ここから博物館までは徒歩5分ほどです。
くじらの博物館は、那智勝浦町のお隣、太地町にあります。「南紀・熊野古道フリーきっぷ(かえり)」を提示すると入館料が100円割引になります。ホームページにも割引クーポンがあるのでチェックしてみてください。
太地町は捕鯨で栄えた港町。その歴史は400年以上に及ぶそうです。館内の中央は大きな吹き抜けになっていて、セミクジラやシャチなどの骨格標本や古式捕鯨を再現したジオラマが吊されています。けっこうリアルです。
クジラの生態のほか、古式捕鯨で使っていた道具などが展示され、人とクジラの関わりを学ぶことができます。
また、屋外に展示されている、シロナガスクジラの原寸大の全身骨格標本は迫力満点!大海原を悠々と泳ぐクジラの姿を想像します。
本館の奥には海を区切って作った自然プールと、海洋水族館(マリナリュウム)があります。イルカに餌をあげたり、直接タッチできたり、イルカと触れ合うことができるエリアです。
時間が合えば、ゴンドウクジラのショーも見ることができます。くじらのショーって珍しいですよね。この日は惜しくも時間の都合で断念したのですが、ぜひまた再訪して見てみたいです。
さらに、本館の隣にはイルカショーのプールがあります。イルカって賢くて、身体能力も優れていて、すごいなあと改めて感心します。トレーナーさんとの息もぴったり。時間を忘れて見入ってしまいました。
クジラのことを学んだり、イルカに直接触れたりする機会はなかなかないので、ちょっとディープな感じでとてもおもしろかったです。
博物館内の売店には、クジラやイルカのかわいらしいグッズもありますから、お土産や記念に購入するのもいいですね。
帰りは紀の松島めぐりの遊覧船に乗って、クルーズの続き。15分ほどで勝浦観光桟橋に到着しました。
【店舗データ】
太地町立くじらの博物館
和歌山県東牟婁郡太地町太地2934−2
ホームページ
≪営業時間≫ 8:30~17:00
≪アクセス≫
紀の松島めぐり観光船「太地くじら浜公園」桟橋から徒歩5分
JR太地駅より町営じゅんかんバス「くじら館前」下車すぐ
まとめ
今回ご紹介した観光スポットの所要時間をまとめてみます。
30分~1時間程度 勝浦漁港にぎわい市場
1時間~2時間程度 紀の松島めぐり
2時間~3時間程度 くじらの博物館
東京・名古屋、大阪方面から紀伊勝浦までの特急列車は、意外に本数が少ないです。初日にチェックインまで時間が空き過ぎたり、帰りに電車の出発時間まで時間を持て余してしまうこともあります。
そんなときはぜひ勝浦の街を知る、ちょこっと旅をプラスしてみてはいかがでしょうか。知ることでもっと旅はおもしろくなりますよ。
ホテル・交通・ツアーの予約
※那智勝浦の宿泊、グルメ、行き方についてはこちらを参考にしてください。
※熊野三山を巡る旅はこちらを参考にしてください。